犬神さまのお嫁さま
 「ふざけんな馬鹿ーーー!!!」



 力いっぱい叫んでバッグをひったくる様に掴むと私は教室から逃げ出していた。

 
 走り去る後ろで美沙都と菜穂の声が聞こえる。



 「机でパワーボムアタックって凄いよねぇ」

 「ていうか『犬神対策会議』はどうするのかしらね」



 2人の言い分はごもっとも。

 だけど今の私にはそんな余裕はありません。


 傷心の私は泣きながら家に帰って『犬神対策会議』は何も議論の纏まらないまま延期となった。
< 44 / 166 >

この作品をシェア

pagetop