ナルシストの隣

去った日

それからの事はよく覚えていない。

頭に焼き付いているのは、遺影に使われいた写真の笑顔と、火葬される前の冷たくなった体。

遺影の写真は一番笑顔だからと、社長が選んだものだった。

その写真は、撮影の合間にカメラマンの人に頼んで、スタジオで撮ってもらったもの。

二人で白い衣装を着て、笑いながら撮影した。

こんな事に使われるなんて思ってもみなかった。

葬儀も終わり、仕事をしようと思えば出来るけどそんな気分にはなれず、全てキャンセルした。



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