【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
キョロキョロと辺りを見渡していると、聞き慣れた声が背後から聞こえた。
「奈々!」
この声は………
「真宝…!!」
振り返ると
眩い照明に照らされ、美しく微笑む彼女の姿がそこにあった。
「き…キレイ…」
「そう言う奈々だってすごく可愛いわよ?素敵ね、その紅いドレス」
「あ、ありがと…」
そう、あたしが身に付けているのは紅いドレス。
ここに連れてこられる前に、有無を言わさず着せられた。
…彼からの贈り物のドレス。