応援団長の恋するチョコレート
揺らぐ修学旅行
「朝霧、一発芸よろしく!」

バスレクに飽きてきたクラスの
奴らが俺に話を振った

「はあ?」

「声でかいから
マイクなしでいいだろ?

これぞ、地球のエコだぁ」

クラスのお調子者が
俺の顔を見て言ってくる

クラスの奴らが
笑う

「嫌だよ
今の時期、喉が大切なんだ」

「サッカーの試合が控えてるしな」

東條の彼氏が
口を挟んできた

あんたのために
喉を大切にしてるわけじゃない!

つい苛立ってしまう俺

「まじ、お前の応援って
すげえよな」

「命かけってから」

「あはは
冗談だろ?」

クラスのお調子者が
馬鹿にしたように笑った

いいんだ
わかってもらえなくたって

俺は
応援団長として

できる限りの応援をしている
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