冬うらら2

 その手のひらに。

 コロン、と。

「え?」

 メイの視線が、下に行く。

「あ?」

 次に、ぱっと上を向いてきた。

「あ…」

 もう一度、下を向く。

 随分と、忙しい動きだった。

 カイトにしてみれば、それに対してのコメントを言われるワケにはいかなかった。

 ちゃんと自覚を持ってそういう目で見られるワケにも。

 彼の動きは早かった。


 メイをソファに置き去りに、無言で風呂場に逃げちらかしたのだった。

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