冬うらら2
◎
カメラは、シュウに預けてある。
その点については、ハルコは一切心配をしていなかった。
彼の報告によると、あの速攻の指輪交換を、きっちり撮影できたというのだ。
思いがけず、有能なカメラマンだったのだ。
副社長のカメラに狙われたら、カイトであったとしても逃げることは出来ないだろう。
一方、自分の夫と言えば、あの指輪の交換で新郎に出し抜かれた一人だ。
まあ、あの状況ではシュウの方が神業であって、ソウマを責めるワケにはいかないだろうが。
だから、彼女はゆっくりと自分の席に座って、ウェディングケーキに近づく二人を見ていればよかったのだ。
だが。
あら?
ハルコは、瞳をまばたかせた。
いままでの二人とは、ちょっと雰囲気が変わっていたのだ。
周囲の視線を気にしているというのが、ありありと分かる入場の時とは大違いで―― 特にメイが、ようやくこの酔わせる雰囲気に、浸されているように思えたのだ。
吸いの悪いスポンジだったが、今にして染み渡ったようである。
その香りにアテられたのか、カイトの雰囲気も変わっていた。
まあまあ。
ハルコは、目を細めた。
ようやく、この一瞬だけは、普通の新郎新婦のように見えたのだ。
絡み合うような、割り込めないような雰囲気が、二人の周囲に小さなドームを作っていた。
何か、魔法でも使ったのかしら?
メイ一人で、いきなり『うっとりモード』に突入することなどないだろう。
彼女の性格からすると、余程のことがない限りはスイッチが入らない。
なのに。
いまは、全部手放しでカイトに、思いを寄せているのだ。
ケーキに、ナイフが入る。
一斉に、フラッシュの雨が降り注ぐ。
その野暮な嵐で、魔法が解けてしまった。
はっと我に返ったように、二人ナイフを引いてしまったのだ。
カメラは、シュウに預けてある。
その点については、ハルコは一切心配をしていなかった。
彼の報告によると、あの速攻の指輪交換を、きっちり撮影できたというのだ。
思いがけず、有能なカメラマンだったのだ。
副社長のカメラに狙われたら、カイトであったとしても逃げることは出来ないだろう。
一方、自分の夫と言えば、あの指輪の交換で新郎に出し抜かれた一人だ。
まあ、あの状況ではシュウの方が神業であって、ソウマを責めるワケにはいかないだろうが。
だから、彼女はゆっくりと自分の席に座って、ウェディングケーキに近づく二人を見ていればよかったのだ。
だが。
あら?
ハルコは、瞳をまばたかせた。
いままでの二人とは、ちょっと雰囲気が変わっていたのだ。
周囲の視線を気にしているというのが、ありありと分かる入場の時とは大違いで―― 特にメイが、ようやくこの酔わせる雰囲気に、浸されているように思えたのだ。
吸いの悪いスポンジだったが、今にして染み渡ったようである。
その香りにアテられたのか、カイトの雰囲気も変わっていた。
まあまあ。
ハルコは、目を細めた。
ようやく、この一瞬だけは、普通の新郎新婦のように見えたのだ。
絡み合うような、割り込めないような雰囲気が、二人の周囲に小さなドームを作っていた。
何か、魔法でも使ったのかしら?
メイ一人で、いきなり『うっとりモード』に突入することなどないだろう。
彼女の性格からすると、余程のことがない限りはスイッチが入らない。
なのに。
いまは、全部手放しでカイトに、思いを寄せているのだ。
ケーキに、ナイフが入る。
一斉に、フラッシュの雨が降り注ぐ。
その野暮な嵐で、魔法が解けてしまった。
はっと我に返ったように、二人ナイフを引いてしまったのだ。