君想いチョコレート









先輩の瞳は本当に真剣だった。

先輩の胸板の中で包み込まれている。先輩のいい香り。低い声。全部、全部…私は…


「嘘だよ…大嫌いなんかじゃない。先輩の事、大好き」

「よく言えました」

優しい声で言い、私の頬を先輩は触る。



――そして私の唇と先輩の唇が重なった。


とろけてしまいそうな甘い先輩のキス。
本当に先輩はチョコレートみたい。


こんな奇跡があったんだね、
頑張ってよかった。


そして
ありがとう、


夕実、花梨、真美……

みんながいたから私は頑張れた。

素直になって初めて知った。
私はこんなに先輩がスキって事。


7年間の片思い……

私にとっては辛いものは多かったけど
すべて私の笑顔、明るさになった。


最後まで諦めなくて良かった。

そして私はチョコレートに今までの想いをもう一度こめて願った。


一生、幸せになれますように。



「春斗先輩、ハッピーバレンタイン!!」


私の枯れる涙は最後に笑顔の華になった。




【完】




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