走り出せ、コスモス*
学校でも、ずっと何て言おうかばっかり考えてた。
その日の夜は、お父さんもお母さんも一緒にテレビを見てた。
「ねえお母さん」
「ん?」
とりあえずお母さんを呼んでみると、お母さんはテレビからこっちに視線を向けた。
「あのさ…来週の週末どっちか空いてる?」
「え?なになに?どうしたの?
空いてるとは思うけど」
お父さんの方もちらっと見た。
「その…
私付き合ってる人がいて
その人が挨拶したいって言ってるんだけど」
「えー!?」
そしたら突然、お母さんはヒューヒューとか言い出した。
な… なんなんだ…
相手は塾の先生で24歳なことも、すんなり受け入れてくれた。
なんでも、この前…あの日
塾からお母さんに電話したとき先生がいて
何となくそんな気がしてたらしい。
お父さんも初めびっくりした顔してたけど、また視線はテレビに戻ってた。
どうやら、私の彼氏より
ノルウェーのフィヨルドの方が興味があるみたい。
うーん…
うちの両親は強い…。
先生大丈夫かな…