走り出せ、コスモス*



学校でも、ずっと何て言おうかばっかり考えてた。


その日の夜は、お父さんもお母さんも一緒にテレビを見てた。

「ねえお母さん」


「ん?」


とりあえずお母さんを呼んでみると、お母さんはテレビからこっちに視線を向けた。


「あのさ…来週の週末どっちか空いてる?」

「え?なになに?どうしたの?

空いてるとは思うけど」


お父さんの方もちらっと見た。


「その…
私付き合ってる人がいて

その人が挨拶したいって言ってるんだけど」


「えー!?」

そしたら突然、お母さんはヒューヒューとか言い出した。

な… なんなんだ…


相手は塾の先生で24歳なことも、すんなり受け入れてくれた。

なんでも、この前…あの日

塾からお母さんに電話したとき先生がいて

何となくそんな気がしてたらしい。


お父さんも初めびっくりした顔してたけど、また視線はテレビに戻ってた。

どうやら、私の彼氏より

ノルウェーのフィヨルドの方が興味があるみたい。


うーん…

うちの両親は強い…。


先生大丈夫かな…










< 148 / 224 >

この作品をシェア

pagetop