走り出せ、コスモス*




ズズ――


「わっ」


突然 先生の手に引っ張られて

体が先生とくっついた


「びっくりした… どしたの?」


先生の頭が顔の下にある


おでこかな…鼻かな

皮膚に当たってるのが、くすぐったい


背中に手の平の温もりを感じる

先生の強い腕は

すっぽり私の体を包んだ



「はぁー…」


先生の小さな声が聞こえた


体をぎゅうぎゅう押しつけられて

この人 ほんとに今 

実感してるところなんだって

思った


初めて見たスーツは

硬くて

ぎゅっとされると

ちょっと 痛かった








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