走り出せ、コスモス*


長い間

ずっと抱きしめられてた


私からも

ぎゅってしていいかなって思って

ちょっとだけ

手を伸ばしたら


先生の腕の力が弱くなって

体から離れた


「とりあえず…

この彼氏と別れようか」

「あ…」


田中先輩は、1週間くらい前に付き合いたいって言ってきて

もともと先生を振り向かせるためだけで付き合って…ホント

悪いことしたなぁ


「うん…」


「できるだけ早く してね」


はぁ…

ホント申し訳ないなぁ

色んな人に迷惑かけたのに

それでもこんなに嬉しいなんて


「分かってる?

これ俺にとっては
ムカつくことなんだよ?」

「え…?」

ちょ どういうこと?


「自分の彼女をすきなやつがいて

しかもそいつが彼氏とか

ありえないんだよ!?」


え…


「彼女…?」


「…違うの?」

私が… 先生の?


「夢みたい…」


「…俺も」


ふわふわして

どっかに飛んでいきそう



さっき先生

『バカ何考えてんだよ』って…

先生から聞いた
初めてのキツい言葉

怒った顔も初めて見た

全部 大すき









< 32 / 224 >

この作品をシェア

pagetop