走り出せ、コスモス*

3つの初めて



私の髪に、誰かが触れてる。

大きな優しい手…。


「ん…」


「あ、起きた。」


薄く目を開けると、目の前には先生が立っていた。


上衣を脱いで、シャツ姿の先生

授業中とはちょっと違う感じ


優しく私だけを見つめてる。


これは…夢…?


「バイクで送ってあげるから、用意できたら下りておいで」


そう言って先生は部屋から出て行った。

外は真っ暗。

うわ、もう11時だ。

私は英語のテキストを全部閉じていって、ペン達もしまった。

「あ、ここ…」

テキストで分からなかったところを思い出した。



下に下りると、まだ先生たちが少しいた。

「先生、ここ聞いてもいい?」

自分のデスクに向かって

パソコンで作業してた先生に聞く


「ああ、いいよ」

先生の優しい声


「あ、ちょっと待って」

先生がいすから立ち上がった


「先生方、この子質問があるらしいんですが

時間かかりそうなんで、先に帰っててください

俺がちゃんと鍵閉めますから」


先生方は驚いた顔をしてたけど

片桐先生は何だかニヤニヤしてた


いや、あのドS人間は

いつでもニヤニヤしてるか…



片桐先生に促されて、

先生方はみんな

「すみません」と言いながら帰って言った



ここには、

先生と私ふたりきり―――







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