走り出せ、コスモス*



さっきのところを、先生にばっちり解説してもらった

やっぱり分かりやすい

こういうところ、ホントに尊敬する。


「これ作り上げるまで待っててもらっていい?」

「うん。それ何?」

「小テスト。あ、見たらダメよ。」


俊子が0点の小テスト。

私が10点の小テスト…。


「そういえば、今日沙枝ちゃん6点だったね。

初めてじゃない?」

「うん…」


「いや、でも他の人らと比べたら全然普通だから、気にすることはないと思うよ?

ふ… まあ2点の人とかいるしね」

俊子のことだ

なんか… やだ。


「それにしても珍しい… 今日はどうしたの?」

「別に」

うそ 分かってたとこも、空欄にした

だって…

「そっかー。

まあ今日は特別として、沙枝ちゃんいっつも満点だからね、えらいえらい」


先生は笑いながら、パソコンしか見てない

先生のいすの横に立つ私は、ギリギリ画面の見えない位置にいる

『えらいえらい』って…今は、その言葉全然嬉しくない


ぼそっとつぶやいた

「でも先生は…解けない子の方がいいんでしょ」

「えっ?」


うわ聞こえてた

びっくりしたけど

不安か不満か が止まんなくて


「最近先生 俊子ばっかかまうよね」

寂しくて


「…いいよ

私も今度は0点とる」

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