悪魔のいる教室
「い、いや、なんでもない」
「は?」
「なんか私の勘違いだったみたい、うん」
「言え」
「だから、違ったんだってば」
「言えっつってんだろーが」
「いえ、本当に、マジで、お気になさらないでください……」
ふいにエンジン音が止まった。
……いや、悪魔が止めたんだ。
ヘルメットを脱いだ事で露になる、眉間の皺。
……怒ってる。
「言え」
一気に静かになったせいだろう。
その声は、自棄にクリアに耳へ届いた。
威圧感な低音は、ズッシリ重い岩のように感じる。
ヤベェ。
このままじゃ……このままじゃ、拷問が始まってしまう……!!
「じ、授業中に話掛けんなって言われたっ」
「……あ?」
「迷惑、とも言われた」
「俺がか?」
「うん」
「いつだよ」
「……飲み会、の帰り……」
恥ずかしくなって、私は俯いた。
……どうしよう。
また、悪魔の唇を見れなくなってしまった。
一方悪魔は、私の乙女らしい恥じらいなどには全く気付かず、「あー……」と呑気に呟いている。
「だからか」
1人で、どこか納得したような雰囲気。
「は?」
「なんか私の勘違いだったみたい、うん」
「言え」
「だから、違ったんだってば」
「言えっつってんだろーが」
「いえ、本当に、マジで、お気になさらないでください……」
ふいにエンジン音が止まった。
……いや、悪魔が止めたんだ。
ヘルメットを脱いだ事で露になる、眉間の皺。
……怒ってる。
「言え」
一気に静かになったせいだろう。
その声は、自棄にクリアに耳へ届いた。
威圧感な低音は、ズッシリ重い岩のように感じる。
ヤベェ。
このままじゃ……このままじゃ、拷問が始まってしまう……!!
「じ、授業中に話掛けんなって言われたっ」
「……あ?」
「迷惑、とも言われた」
「俺がか?」
「うん」
「いつだよ」
「……飲み会、の帰り……」
恥ずかしくなって、私は俯いた。
……どうしよう。
また、悪魔の唇を見れなくなってしまった。
一方悪魔は、私の乙女らしい恥じらいなどには全く気付かず、「あー……」と呑気に呟いている。
「だからか」
1人で、どこか納得したような雰囲気。