TSUBOMI
サタン降臨
ある晴れた日の放課後。
その異変に真っ先に気付いたのは、
由紀だった。
「…ねぇ〜蕾ちゃぁん…」
「何だ由紀、外にウミガメでも出たか」
「いやウミガメはいないけど…
あれ、脩くんじゃなぁい?」
――――一時停止。
『脩くん』を過去の記憶から抽出中。
ハンバーガー…
生徒手帳…
アドレス…
学ラン……
「え、あいつっっ!?
何で!??」
由紀が指さす窓の外を見てみると、
確かに覚えのある学ラン男が。
「うげぇ〜何でいるんだよ…」
及川脩、
不本意ながらも蕾の苦手な男ナンバーワンにランクインしている。