それでもわたしは生きている
「抗がん剤の手術?結局私、どれ位入院するんですか?」

「そうだねぇ、半年位みといてくれる?」

「半年!?」

季節が変わるやん…

もっと簡単に考えてた。

少しずつだけど、本当にガンなんだって意識が出てきた。



アケミ先輩は言ってくれた。

「大丈夫!今はガンも治る時代やから、頑張ろ!」

確かに…

でも、亡くなる人も多いこの病気、原因ってなんなんやろう。

なんでなったんやろ…


抗がん剤の手術は局部麻酔だけだったので意識はあった。

足の付け根に切り込みを入れ、そこからチューブを身体の中に入れ、腫瘍に直接薬を差し込む。

初め、切り込みを入れられた時、麻酔がまだ効いておらず、痛かった。

チューブがお腹の中でクルクルしてるのがわかる。

気味が悪い。


手術が終わり、一晩は色々と苦しんだ。

そして、2、3日が過ぎ薬が効いてくると、吐き気に襲われ出した。


本当に気持ちが悪い…
真夜中にも何度もトイレに行く。

そうこうしてる間に出血もどんどんひどくなる。

自分は病気なんだと実感させられる。



この日も真夜中に何ともいえない吐き気でトイレにこもっていた。
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