それでもわたしは生きている
何度かソウタが反抗する度、その様な言葉達をソウタに叩き付けていた。

その日もソウタはシラ~っと反対を向いている。

ちょっと暴言を吐き過ぎたかな、と思った私は

「ごめんごめん、言い過ぎた」

と、ソウタを抱き締めた。



ソウタは私の腰に腕を回し、ギュゥッと力を入れて、大きな声を上げて泣き出した。


「ソウタ?どしたん?」

いきなりの事で驚いていると

「母さん…ごめんなさい…母さん…ボクのせいで死ぬん?母さん…ごめんなさい…死んだら嫌やぁ!わぁぁっ!!」

と私の胸に顔を押し付け、叫ぶ様に泣き続けた。


ソウタは反抗してたわけじゃない。

私自身が、自分の事ばっかりで、ソウタの立ち場になってやれなかった。

ソウタにしてみれば、ずっと2人で生きてきた母親が死ぬかもしれないと言われたんだ。

もしかしたら、毎日毎日、いなくなったらどうしようって、小さな心は悲しみに溢れてたかもしれないのに、私は暴言ばかり吐いてた。


私は…



母親失格だ…



でもソウタは…
こんな母親でも必要としてくれる。




神様…

やっぱり私は

まだまだですね。
< 178 / 212 >

この作品をシェア

pagetop