それでもわたしは生きている

花火大会の日も、ナオキは帰らなかった。

帰って来たのは月曜の朝。
勿論連絡なんてなかった。


さすがに限界だ。

あの、サイトウユミの件からまだ1年も経っていない。

ナオキに反省の色は見えない。



「ナオキ、花火大会は!?」

「え?あ、ごめん!この前の土曜やったん?今週かと思っとった。ごめん!ほんまごめん!」

「は?ウソや!いい加減にしぃよ!毎日毎日、何考えとんよ!もうすぐ産まれるねんで、なんかあったらどうするんよ!」

「わかったわかった。とりあえず仕事いかなあかんから、帰ってからな」

話す時間のない朝に帰って来て、絶対わざとやわ!


そして、その日もナオキは帰って来なかった。



私の神経はおかしくなりそうだ。

話したくても、話すチャンスがない。

どこにいるかもわからない。


あんなに謝って、あんなに必死で

『結婚しよ!』

って言っておいて、なんでこうなるの!


私は家の中で独り、大きなお腹を抱え出歩く事もできず、ただひたすらイライラを募らせていた。

なんて胎教に悪いんだろう。

溜めに溜め込んだ不満が、ナオキの顔を見た途端に吹き出した。

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