それでもわたしは生きている

ナオキ…

そんなに私が嫌い?

そんなに私と別れたい?

ナオキが可哀相にさえ思えてきた。

きっと、今のナオキは私と別れたくて別れたくてたまらない。

出来ることなら子供を産まないで欲しいと思っているに違いない。

でも、結婚というものにナオキはがんじがらめにされて、逃げ出したいのに逃げられない。

そして爆発したんだ。

あんなナオキは見たことがない。

それくらいナオキは、私と別れたくてたまらないんだ。


哀し過ぎるよ、ナオキ…

あんなにお互い大好きで、離れられなかったのに…

今は…

ナオキ、ごめんな、私が居てごめんな。

もう…逃がしてあげるわ…



私はナオキを呼んで、離婚届けに判を押した。


ナオキが泣いている。

意味が分らない。

「ナオキ、なんで泣くん?やっと願いが叶うのに」

こんなに泣くナオキを初めて見た。

俯いたまま、ポタポタと涙を落としながらナオキは言った。

「お前が…お前が可哀相で。まだ20歳やのに、これから独りでどうやって子供を育てていくんかなと思ったら可哀相で…」

私の目からも涙が一気に溢れ出た。


人ごと?
やっぱりコイツ…意味が分からん。

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