イケナイ恋
兄ちゃんが、風邪ひいたって聞いて、

びっくりした。それと同じぐらいに

心配になった。

前は、全然こんなこと思わなかったのに。

最近は、兄ちゃんのことを考えるだけで、

ドキドキする。

さっき兄ちゃんに、“ありがとう”

って言われたときも、ドキッてした。

そんなことを考えてたら、

そうとうしんどかったみたいで、

兄ちゃんが道の歩道で、しゃがみこんでしまった。

ナ「兄ちゃん大丈夫?」

リ「しんどい・・・。」

ナ「お茶飲む?」

リ「うん。」

ナ「はい。」

私は、学校で買った

自分のお茶を、兄ちゃんに飲ませた。

リ「ありがとう。」

ナ「行ける?」

リ「ちょっときつい・・。」

ナ「落ち着いたら、ゆっくりでもいいから
行こう。」

私は、兄ちゃんの手をギュっと

握った。すると兄ちゃんが、握り返してきた。

ドキドキしたけど、なんか嬉しかった。

リ「行こう。」

ナ「大丈夫?」

リ「うん。」

ナ「じゃあもうすぐ着くから、
そしたら、ゆっくり休み。」

リ「うん。ありがとう。」

それから私たちは、

手を繋いで帰った。


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