秘宝-戦い-第Ⅰ幕

有香は秘宝がどんなものなのか、知らない。

別に興味ない。

見つかれば…それでいい。

なーんて思ってるけど、実は気になるんだよね!
…聞かないだけで。


その時!

クワークワー

スズランが警告するように鳴いた。


アレンと有香は身を固くし、剣を構えた。


ザザッ


ヘビのような妖怪が10匹ほど出てきた。


シャーシャー

威嚇するように鳴く、ヘビたち。


スズランが体を大きくした。

「なんだ、コイツラ」
「分かんない。…なにか狙ってるのかな?」


シュー!!

へびが鳴き、口から白い液体を吐き出した。


「キャッ」

有香は慌ててよけた。

「大丈夫か!?」
「うん…」

白い液体は地面の草にかかり、草は一瞬で枯れた。

「毒…?」
有香は呟き、アレンはよく見ようと有香の傍に屈んだ。


「アレン!!危ない!!!!」

有香は叫び、アレンをドンッと押した。


アレンが尻もちをつく…

「うっ…」

有香はうめいた。

アレンを押したときに出した右腕にヘビが噛みつき、毒がかかった。




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