短編集

【望まれない仇討ち】




彼女は、それからすぐに、誰にも気付かれないよう村を出た。
生まれ育ち、彼との思い出がたくさん詰まった村。
二度と生きて帰ってこれないと、覚悟を決めて。


彼を殺した仇は知っていた。
手紙に、書いてあった。
仇は、敵国の英雄となっている。
彼女は、手紙と銃の送り主に利用されていると気付きながら、敵国へと潜入した。


美しく長く、緩くウェーブのかかった金色の髪はパサパサに荒れ、短く切った。
透き通るように白かった肌は黒く焼け、美しかった彼女の今は、まるでスラムの少年のようだった。

彼女は、英雄となった仇に近付く事に成功した。





< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop