魔王さま100分の2

アイオネは、その空気を察知して皆に問う。

「皆さんは、このことをご存知で?」

「ああ、まあ、立場上それなりに噂というかたちで……」

都市の代表者達やエミリオは、
アイオネを傷つけないように大人の態度で曖昧に答えた。

「それはどれくらい前に?」

「私達は、わりと早く約一年前に。神父様は?」

「私も同じぐらいには」

がーーん。
衝撃を受けるアイオネ。

「なんで、私だけ誰も教えて……。王国からの知らせにも……」

アイオネは、引きつった顔で言う。

普段の疎外感が手伝って、かなりのショック状態。

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