魔王さま100分の2


魔王さまの島。

アイオネが
怒りを沸騰させて海を渡っているころ。

ふたりの魔王さまとシルキスは、
風呂が沸くまでと、屋根上のハシゴに登って戯れていた。

「これは、いいなっ」
「いいだろう」

てっぺんで並んで座る魔王さま達。

金の魔王さまは初めての体験にご満悦で、黒の魔王さまは、悦ぶもうひとりの自分を見て上機嫌。

下の段で待機するシルキスの頭上で、よっつの足をぶらぶらさせる。

「落ちないでくださいよ」
「落ちたら、助けろよ」

「助けますけど、せめて落ちそうになったときは教えてくださいね」

「そうするよ」

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