魔王さま100分の2
湯からあげた輪は、まったく濡れておらず、水滴をしたたらせることもなかった。
不思議物体。
黒の魔王さまが、
輪をあちこちの角度から眺めていると、
やがて輪の輝きと輪郭が薄くなり、
無数の小さな光りの粒になりながら、空気に溶け込むように消えた。
「消えちゃった」
魔王さまが言うと、ヘナは幾つでも出せますよと、手からまた輪を出した。
ふたつ、みっつと続けて出し、黒の魔王さまに渡す。
「あはっ、いっぱい」
ヘナは、さらにもうひとつ出し、自分の頭の上に浮かせて見せる。