魔王さま100分の2

ヘナは、パチパチと目蓋を開け閉めする。

運悪く、その目蓋の隙をついて雨粒が一滴すりぬけた。

「ひゃっ」

ヘナは、驚いて身を起こす。

雨粒が入った目をこすりながら、魔王さまとシルキスを見て今の状況を知りたがる。

「ちょうど今着いたところだ」

ヘナに教えてやったのは、魔王さま。
指差す先の戦艦に、巨鳥は降下し始めている。

「……そうですか」

なおも眠そうなヘナ。

雨で濡れた目がまだすっきりせず、指先に回復魔法をのせて、目蓋の上から揉み揉みしてケアする。

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