魔王さま100分の2

着衣所に関しては、
事前に読んだイアミリアの観光案内に記してあったので近くにあるはず。

実は、シャチについても観光案内で知った。
それまでは、シルキスもシャチの存在を知らなかった。

案内によると、シャチのショーというのがあるらしい。

魔王さまに教えれば必ず見たがるので、時間をみて伝えようと思う。

これについてはシルキス自身も楽しみだ。

後は……。

シルキスは今後の予定を思い浮かべつつ、袋の中を底まで見た。

「最初の目的だった僕の水着が入っていませんが?」

「それはだな、」

魔王さまは、自分からもシルキスと手をつなぎなおす。

「シルキスに贈るものは、シルキスと一緒に選んだほうが楽しいと思ったのだ。一緒に来い」

魔王さまは、強くシルキスを引っぱっていく。

「……僕への贈りものですか」

シルキスは、手を引かれるまま、
ふたり並んで買い物の列に加わった。



──魔王さまとシャチ 終わり

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