魔王さま100分の2
「きゅ?」
サーペントは、それでいいの?と鳴く。
「……いきなさい」
ヘナが答えた。
「きゅう」
サーペントは、弾の上の魔王さまを気にしながら進みだす。
「急いで、津波で足止めをしているうちに合流しないと、僚艦も危険にさらす」
「……いそいで」
ヘナが間に入って指示を伝達すると、サーペントは速度をあげる。
これも、そこらの船よりはずっと速い。
僚艦に近づく前に、幽霊船は十分に引き離せるだろう。
シルキスは、一息つくとキーヤに声をかける。
「身体はどうだ?そうしていれば回復できそうか?」
キーヤはへナの近くで膝を折り、昏倒寸前の様子で回復魔法を浴びていた。