魔王さま100分の2

「手だけじゃなくて全身洗え。血だらけで見づらいぞ」

魔王さまは、真っ赤なシルキスの腹に顔を近づける。

「血で傷が分かりませんか?」

「いや、傷だらけなのは分かるぞ。これはどこを触っても傷だろう」

魔王さまは、指で腹を押した。
言ったとおり傷をヒット。

ちょっとめり込む。

「あおうっ」

「ああ、この傷の奥に破片が入っているから箸を突っ込めと言うのだな」

シルキスの悲鳴で、箸の使い方に気づく魔王さま。

「そうですが、突っ込むだけじゃなくて破片を抜いてくださいよ」

「ふふ、これは面白そうだ。罰にはちょうどいい」

< 456 / 582 >

この作品をシェア

pagetop