魔王さま100分の2
シルキスは、
「この状況で二日は長いから、痛いほうでいい」
あっさり事務的な判断でヘナの提案を遠慮した。
それで、魔王さまに傷弄りを許したまま、血まみれで指示を出し始める。
「あと幽霊船は振り切ったようだから、僚艦との合流を急いで……」
魔王さまとへナが顔を見合わす。
「……」
「……」
目と目で頷くふたり。
「おい、シルキス。えっちなことをさせてやるから、こっちを見ていろ」
「何を言っているのですか、こんなと」
シルキスの意識は、ここで途絶えた。
──魔王さまと弾幕 終わり