魔王さま100分の2

二度来るこはないだろうと思っていたところに、戻されているわけだが……。

シルキスは、布団から出て立ち上がる。
傷は全て治っている。

出血も、痛みも、跡すらもない。

「僕はここでどれくらい寝てた?」
「だいたい丸二日」

「あー、なるほど」

間違いなく、治療してくれたのはヘナだろう。

で、
これもほぼ間違いなく、

船の上、魔王さまに目を向けたシルキスを眠らせたのもヘナだ。

簡単な消去法。

あの時、あの場所で、シルキスを一瞬で昏倒させられる力を持っていたのはヘナだけ。

思い出してみれば、ヘナは既に天使の輪を出し、力を振るおうとしている状態だった。

< 464 / 582 >

この作品をシェア

pagetop