魔王さま100分の2

こんな感じで進んだ宴。

魔王さまの歌や、
魔王さまとのダンスまで披露。

おひらきになったのは、
深夜。

両方の魔王さまが、
両方の勇者の膝で寝てしまってから。

「おつかさま」
「まったくね」

カップの底に残った薄い酒を最後に飲み干して、星空を見上げたシルキスとアイオネ。

「明日もよろしく」
「明日はもっと騒がしくなるのかしら?」

「たぶんね」
「やれやれね」

そっと魔王さまの頭に手を置く。

「では、片付け開始ということで」

器用に、金の魔王さまの頭を眠ったまま持ち上げ脚を抜いたシルキス。

「はいはい」

シルキスよりはちょっとだけ乱暴に、それでも黒の魔王さまを起こさないようにして立ち上がったアイオネ。

あっちだ、
こっちだと役を振り分けて、

魔王さまが眠った後も世話係であり続ける。



──魔王さまと晩餐 終わり


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