魔王さま100分の2

「とにかく続きは、風呂場で」

「ひいいいいっ、……あ、着替えとか身体拭きとかの準備はもうしてあるから、このまま運んでね」

「予定どおりですか、さすがですね」

階段を降りていくアイオネと魔王さま。
馴れ合いの区切りは、いつもこんな感じ。

「ところで、ひとりぐらいはいたでしょう。心惹かれる殿方が……」

「その話題を掘り下げたいの?うーん、昔のことを思い出すのは疲れるんだよね。頭がぼーっとして……」

「それから、風呂からあがったら髪を梳きなお……」

地上からは、遠くなっていくふたりの会話。

風呂場でのじゃれあいは、また別の機会に。




──魔王さまと髪梳き 終わり

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