Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「渡したい物があるのっ!!

高橋さんに連絡しようかと思ったんだけど…ほら、まだ葬儀とかで大変かと思って、落ち着いたらと思ってたのよ!

…でも、あれは、あなたに渡した方がいいわね?

今、時間あるかしら?」

『はいっ!診察終わったので…』

渡したい物ってなんだろう??

あことエリはお互いの顔を見て不思議そうに首を傾げた。

「アツシくんの忘れ物っ!

ごめんね、ちょっとこの書類急ぎなの!
取りに来てもらっていいかなっ?」

少し早足で歩く鈴木さんの後を追う様に、あことエリはついていった。

チンッ!

エレベーターを降りると、そこは、あっちゃんが入院していた病棟だった。

「ごめんね?
書類置いて、持ってくるから、ここで待ってて?」

『はいっ!』

あこ達は、鈴木さんに言われた通り、ナースステーションの脇にある、ホールのソファーに座って、鈴木さんを待った。

「忘れ物って…なんだろうねぇ?」

『うん…』

エリは、不思議そうな表情で辺りを見回している。

何だろう…
あっちゃんの私物はあの日全部持って帰ったはずなのに。

パタパタパタ!

ナースシューズの音がどんどん近付いて来る。

「ハァッ、ハァッ!
ごめぇーん!お待たせぇ!!

…これ、なんだけど…」
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