Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
エリは最近就職したばかりだというのに、すでに文句ばかり言っている。

おつぼねさまと仲が悪いらしい。

今日は日曜で休みだから、あこのお願いを叶えに一緒にこの公園に来てくれた。

“キキョウの花”を植えに。


ねぇ、あっちゃん?
知ってる?

キキョウの花言葉を。

あのね…“変わらぬ愛”なんだって!!

だってね、あこの愛は変わる事はないから。

ずっと、あっちゃんへの愛は変わる事はないから!!

ずっと、ずーっと変わる事はないから!!


あこがぼーっと空を眺めている時だった。


キキッ!!ガチャン!!

公園の前で自転車が停まった。

「おーっ!!
やってんなぁ?(笑)

あこ!久しぶりだな!元気だったか?」


―――――!!!

自転車が停まった方から懐かしい声。

公園の入り口に立っていたのは、久しぶりに見る、あの人だった。

あの人は水色のエプロンをしていて、自転車のかごには、綺麗に包装された大きな花束が入っていた。

『えぇーっ!?
………ケン!』

ガタッ……

あこは、あまりにも驚いてしまって、大きなお腹を抱えてベンチから勢い良く立ち上がった。

ケンは自転車を停めたまま、公園の中に入ってきた。

「うがぁーっ!!
ケン!マジでいいとこに来たっ!!(笑)
手伝えー!」


悪戦苦闘しているエリの元に、エプロン姿のケンがかけよって行った。

「はぁぁっ?(笑)
昨日教えたばっかだろー?」

えっ…昨日?
教えたって?

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