Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
「よーしっ!!
泣くなぁ、空ぁっ(笑)
ねぇちゃんとアンパンマンごっこすっかぁー!!」


「エ~~~ン。」

「まこ!あんたは空のお姉ちゃんじゃないでしょ…空の伯母さんでしょ!(笑)」

「あ…そっか!
えーっ!!おばさぁん?私、まだまだ若いんですけどォー!!(笑)」

「ンギャァァ!!」


空の可愛い泣き声と、お母さんとお姉ちゃんの笑い声に後ろ髪を引かれる思いで、玄関のドアを開けた。


ガチャッ…


『うひぃーっ!!
寒すぎぃっ!!ぅー……』


今年は雪が少ない。

雪が少ない代わりに、いつもの年よりも風が冷たい様な気がする。

ピュゥゥ――!

冬の北風は、あこのほっぺを切り裂く様に、あことすれちがう。

ピリピリ…ピリピリ…

ほっぺが冷たいって泣いてる。

きっと、今頃ほっぺは真っ赤になってるはずだ。

それでも、あこは歩く速さを変えない。


サクサクサク…サクッ…

道路が薄く見える程、さらっと積もった雪にあこのブーツが突き刺さる音がする。

この音は…嫌いじゃない。
むしろ好きかもしれない。
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