「 」の法廷
「おかしいな、変だな──たとえば誰かが突然消えて」
どきん、と心臓が跳ねた。
何でそれを。
この人は──
「僕は《九階級》……と言ってもわからないか。生徒会の日野月夜」
「え?」
「君の話をちょっと耳にしたから」
もし、何かあればおいでね?
ふっ、と耳元で囁かれて、顔の熱があがる。
謎の少年二人目──日野月夜と名乗るその人は、太陽みたいに(いや、アイツのことではなくて)。日の光にも負けない笑顔でそんなことを言った。