End of the Love 【短】
「竜治…?」


次の瞬間息をすることも困難なくらい
強く強く抱きしめられた

苦しくて
悔しくて

涙が溢れだす


彼の前で泣いたのはこれが初めてだった


「どうして泣くの?」


彼は私の涙を手で拭うと
そっと頬に優しいキスを落とす

何度も何度も
涙が流れる度に彼はその行為を繰り返した




どうしてこんなにも好きなんだろう
どうしてこんなにも愛しいんだろう

私たちの関係は心から始まったんじゃない
身体から始まったものだから


だからどうしても怖いんだ


好きで
好きで
好きすぎて
壊れていってしまう自分が手に取るように分かるから

あまりにも未来の見えないこの恋は


私の心を簡単に壊してしまうから



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