六花の騎士
「『危険』なんて、何処にでもあるでしょう?首都のサンブリカですら反乱分子は存在しているのよ」
キャリベルはくっと眼を見開く
確かにそれは事実だった
「ならばもっと護衛を多く付けるなど対策がありましたでしょう……!?」
王族が外に出るときは例外なく少数の護衛しか付けない
それは随分まえにアルメリアが定めたしきたりだった
理由は儀式などで国を回る際にあまりにもお金がかかり、国府に負担がかかる
それでなくとも王族の能力は絶大であり、六花の騎士もいるため自身の身は自身で護れる
そういった方針だった
だから、護衛の兵は王族にしては驚くほど少ないのだ
「そうねぇ」
いかにも適当にアルメリアは返す
キャリベルなど瞳にも映さずにトーワを見下ろす
「でも国の上に立つものが、そう簡単に方針を変えていいのかしら?」
キャリベルはぐっと押し黙る
確かに、一度決まった事をコロコロ変えていては国が惑う
「それに、私達の能力の大きさはこの町を見れば分かるでしょう?」