あの時に戻れたら【短編】
夕方になるとおじいちゃんが「悪いな」って言って出掛けて行った。おばあちゃんも少し経つとお隣りさんのとこに出て行った。


「これ…どこまで昔に行けるんだろ…ってか本当に行けるのかな。」


試しに適当にクルクル回してみた。





「おー加奈子かぁ!そうか、盆休みにな。わかったわかった。ばあさんに言っとくから安心しろ。みんなはどうするって?」


振り返るとおじいちゃんが電話をしていた。…あれ?この会話聞いたことがある…。あっそうだ、盆休みに遊びに行くっておじいちゃんに電話した時だ!じゃあこの電話の向こうには私がいるんだ。すると台所からおばあちゃんが歩いて来た。

「あっ…ヤバイ。」

何と無く隠れようとしたけどおばあちゃんは私に見向きもしなかった。…あれ!?おばあちゃん…私が見えないのかな?私はおじいちゃんの隣に行って、座ってみたけどおじいちゃんは電話をしてるだけだった。


「さっきは私が見えてたのに、どうして今回は見えないのかな…」


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