Chocolate
「ごめんッ!!優佳、また転勤になった!!」
「別にいいよ・・・・・・」
「本当にすまんッ!!」



家に帰るなり頭を下げるお父さん。
あたしのお父さんは転勤族なんだよね。
転勤はこれで5回目。



「それでな、優佳。今度の転勤は海外なんだよ」
「はぁ??!!海外ぃ??何でまたそんなところに・・・・・」
「ちょっと事情があるんだよ」
「・・・・・」




その、事情を教えてほしいわ・・・・・





「それでな、優佳には日本に残ってもらうおうかと思って」
「はぁ??何言ってんの??あたしも行くって」
「さすがに海外はきついだろうと思ってな」
「いいよ、別に。旅行感覚で行くし」
「そうじゃなくて、言葉や文化の違いで苦しませたくないんだよ」
「・・・・・・」




じゃ、あたしはどこに住むの??
親戚なんて近くにいないし、
じいちゃん、ばあちゃんも他界してしまったし。



「それでな、優佳には寮に入ってもらおうと思って」
「はぁ???!!!」
「もう、手続きはしませたんだ。
 明日からでもいいとおっしゃっている」
「ちょっと待ってよ!!嫌だよ、寮なんて!!」
「すまんッ!!事情があるんだ・・・・・」



また始まるあたしの新生活・・・・・
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