ムーンライト・リヴァース

助けの言葉

午前中の授業が終わった昼休み。

私は光とお弁当を食べる。

「そういやさぁ、美月今日も邪魔者扱いされてたよね?」

「平気だよ。いつものことだし。」

私は玉子焼きを箸で指して顔の前で軽く振った。

「ウソつけ~。箸で顔の前で振るのって何か隠してる証拠なんだって。」

「…うそだ~…。」

「ウソだよ!」

光は思いっきり笑ってた。

「でもさ。水木君も考えてあげればいいのにね。より自分のファンを増やしたいのかしらないけどさ。」

「うん…まぁ。」

「もしかしたら、水木君美月のこと好きなのかも!」

私はびっくりして飲んでたイチゴみるくを吐き出しそうになった。

「美月、この手のこと苦手だよね。」

「違うよ。ただ、恋愛とかしたくないだけ。」

「でもあながちウソじゃないかもよ。翼君、いっつも美月のこと見てるし。」

「それはありえないでしょ。」

「本当だって。美月は美人だし、頭もいいし、性格だって素直で優しいしさ。」

「でも……。」

光はお弁当箱を閉めて鞄に閉まった。

「美月も少し変わればもっと高校生活楽しくなるのに。私が言えることじゃないけど、絶対他の子よりも優れてるって思うけどなぁ。」

「………。」

「あっ、ゴメン!そういう意味で言ったんじゃないよ!ただ、美月はとてもいい友達だって思ってるから……。」

「ううん、大丈夫。もともと変わらなくちゃって思ってたし。」

思ってもいないことを口に出すのはつらい。

それがたとえ親友だとしても。

「じゃあよかった。私ももう少し積極的になろうかな?周りの子見てるとそう感じるし。」

「光は大丈夫だよ。私ももっと周りを見なきゃってことだよね。」

「だからそういう意味で言ったんじゃないんだってば~。」

「分かってるよ。でも、光の言葉聞いて実行に移せそう。」

私は光にニッコリ笑った。

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