大好きだった
目を閉じて、眠ろうとするけど、頭の中は眠ってなくて


リビングから聞こえる音が自棄に耳につく


櫂と幸が起きたのか、椅子を引く音や、パンが焼けた音


朝ご飯を自分達で作っているのが分かった。


襖が開いて、閉じると
啓太くんの「おぅ」と言う声が聞こえた。


「あれ?啓兄?翔兄は?」幸の不思議そうな声が聞こえ私も襖の方に目を向けた。


「幸?どうした?」


私の声で顔だけを私に向けて、やっぱり不思議そうに

「舞花?翔兄は?」


「翔ちゃん?あー仕事かな?」


「ふーん、啓兄は休み?」

「あぁ…今日は…」


「で?幸どうしたの?」


話しを変えようと、私が口を挟む


「今日から給食ないから、翔兄にお金貰って来いって櫂兄が言うから」


「あぁ~そうだったね、待って」


私が起き上がり、財布から2千円を手渡した。


「舞花起こしてゴメンネ」

「いいよ、忘れ物ないように行きなよ」


「うん」


幸は、元気よく部屋から出て行った。


閉められた襖が、すぐさま開き


「舞花卒業おめでとうね」

それだけ言って幸が襖をバンと閉めた
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