大好きだった
裏表
「とりあえず…私帰る」
ベンチから立ち上がり、歩きだす


「大丈夫?俺一緒にいなくて」


「大丈夫だよ、一人には馴れてるから…」


「舞花ちゃん…俺…」


「何?」


私の前に立ち塞がり俯く啓太くん


「もし舞花ちゃんが良かったら、一緒に待たせてもらっていいかな?」


「勝手にどうぞ」


啓太くんの横を抜かし歩いた。


部屋に入っても2人に会話があるわけでもなく


外を見れば、うっすら明るくなってた


「啓太くん?仕事はいいの?」


「ん?大丈夫だよ。今日は休み貰ったんだ…俺も翔も」


「ふーん」


「翔おせぇな」


バツが悪そうに啓太くんが苦笑いした


「もう啓太くん気にしなくていいよ。」


あまりにも小さくなってる啓太くんに申し訳なくなってきた


「でも連れてったのは俺達だし」


「連れてったのは、2人だけど…帰ってこないのは翔ちゃん自身だし」


「……」


「本当に気にしないで、マコトくんにも謝っといて」

「…うん」


「私少し寝るよ…夜仕事だし…啓太くんも好きにしていいから」


ベッドに入り、啓太くんに背中を向けて目を閉じた。
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