秘密~「ひみつ」のこと
高校に入って、
サキのことがずっと気になってた。

初めて沸いた異性への興味。

友達と戯れて
笑ってるサキが、
時折見せる
遠くを見通すような大人びた横顔。

どこか人と距離を置いている、
凛とした姿。

こいつなら、
俺の話を真面目に聞いてくれるかもしれない…

こいつなら、
もしかしたら俺のこと、
解ってくれるかもしれない…

そんな風に漠然と感じた、期待。

俺の直感。

俺の「ひみつ」を受け止めて欲しい!

『俺って、親父の本当の子供じゃないんだって…』

気持ちが先走って、
つい、
口を滑らした。

案の定、
サキは困った顔をして、
口数が少なくなっちまった…

無理だったのかな?

重荷だった?

『気にすることないよ。カズはカズじゃん!』

俺、
そんな風に、
軽く受け流してもらいたかったのかな?







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