秘密~「ひみつ」のこと
1年は、
距離が縮まることなく
過ぎ去った。

成す術もなく…

俺、真剣に考えた。

無い知恵絞って
考えた、

…この状況脱却する方法。

『二人ずつペアになって、
 自分の「ひみつ」を相手に打ち明ける。
 一週間単位で
 「ひみつ」の広がり度をチェックし、
 一人にでも漏れたらアウト。

 罰ゲーム。

 漏らしたやつが相手をおぶって、
 校庭グランド一周。』

俺が考えたゲーム。

親しく話すきっかけを作るため、
「ひみつ」を打ち明けるってとこがミソ。

だってさ、
只話すより、
「ひみつ」を話すってことで、
気持ちも高揚するじゃない?

「ひみつ」を漏らすか、
一人で抱え込むか、
はたまた、
二人で共有するか?
そんな、
選択する緊張もあるし…

何気ないしかけ、
俺って、
結構頭いいかも…

男子はみんな、
待ってましたとばかりに
俺の提案に乗り気だったけど、
お前らって、
ホントに俺の意図わかってんの?

最初は白けて、
引いてた女子が、

「折角、男子から提案された訳だし、試しにやって見る?」

って、マユの一言で参加した。

やったぜ!

兎に角、最初の一歩だ!

マユが賛成してくれたのが、
認められたみたいで、
なんか、
嬉しかった。

俺の提案ってのは「ひみつ」だけどな。

それから
俺、
ひたすら
マユとペアになる時を待ったんだ…








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