秘密~「ひみつ」のこと
カズが優しく
あたしを包んでくれてる?

「養女ってさ、子供が欲しくてもらわれて来たってことだろ。俺なんて、望まれない子なんだぜ」

カズの声、微かに震えてる?

「でも、パパに血のつながったホントの子供ができたら、あたしなんて必要なくなっちゃうよ。あたし、パパと一緒に住みたかったのに、新しいお嫁さんもいるんだよ」

今は、
あたし、
自分のことで精一杯。

それでも
カズ、
あんたは
あたしの話を聞いてくれるの?

「ママと暮すってのは?」

「ママはイギリスへ行くんだって…」

「イギリスか、遠いな…」

「遠いだけじゃないよ、言葉だって通じないよ、カズとも会えなくなるよ!」

なんか、カズの腕に力がはいった…

「お前のパパはなんて言ってるんだよ?」

カズの声が耳元に響く。

「今度、その人に会ってみてくれって。みんなで幸せになる道を探そうって」

優しくあたしを包んでた
カズの腕が、
急に離れた。

カズが、
あたしの腕を
強く掴む。

「お前のパパが正しい。お前、その人に会うべきだよ!」

カズの目が、
真直ぐに
あたしを見つめる。

「なに?何でそう言い切れるの?ママからパパを奪った人だよ!」

呆気にとられて、
あたし、
思わず声を荒げた。

「俺の直感」

カズは落ち着き払って、
そう言った。



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