『鏡の中のマリア』
私が母親の病室に入るのを
躊躇していると、

暁生が背中を押してくれた。


白い病室の窓の前に
お母さんが立っていた。


トックン・・トックン・・・

『お母さ・・ん・・』
声が震えてしまう。


お母さんはゆっくり
振り向いて
私を不思議そうな顔で
見ていた。

(わからないの・・・?)


トックン・トックン・トックン・・・


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