『鏡の中のマリア』
試合はすぐ再開され、

私は本当に
ただ立っていた。

最初は一応行ったり
来たりしてたけど・・・

しんどくて
立ち止まってしまったのだ。

走りさった皆をただ見てた。
(あ~ぁ、速攻やられちゃった。
 マークしろよ・・・

 取れ!ボールを奪え!)
 
 


ボワンとした変な感覚の後。

歓声がやけに耳に聞こえる。

(あれ?何かこの感じ・・・

麻莉亜の最後の試合、

私は見に行った。



そう、確かに!


麻莉亜の背番号は・・・

4番!



その後は・・・?)


「わぁぁ――――!!」
の歓声、


なぜかボールがこっちに
飛んできてる・・・

私は手を伸ばし軽く
ジャンプして
そのボールを取っていた。

そしてそのボールの感覚を
手で確かめていた。
(このゴムの感じ・・・)


「パス!」

「ボーっとすんな!!」


近くから聞こえる声に、

ふっと我に返る。



「藤井――走れぇ~!!
シュート!!!」

暁生の声。

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