“逆”チョコレート大作戦!!
まっ、まぁ…



「とりあえず、頑張るっきゃないっすねっ!!」



「そっ…そうそうっ!!しっかり頑張んなっ!ニイチャンっ!!」



「はいっ!!」



俺はオヤっさんにニッコリと満面の笑みを向けた。



がっ、



工藤サンはやっぱり最後まで“工藤サン”で…



「まぁ、これ以上嫌われねぇよう、せいぜい言葉には気をつけ…」



「トラっ!!」



「ヘーヘー。まぁ、しっかり頑張れよっ。」



「…。」



クソっ!!



やっぱり…



工藤サンなんてキライだ。



俺はカウンターに置いてあった残り4本しかない工藤サンのタバコを勝手に抜き取ると、



「あっ!テメェ…」



「…。」



焼酎の仕返しとばかりにしれっと吸ってやった。



「テメェ…俺のタバコ勝手に吸うたぁいい根性してんじゃねぇかっ。」



「…。」



「今すぐ買ってこい。」



「イヤです。」



「行け。」



「じゃあ返します。」



「は?」



俺は吸いかけのタバコをちょこっと揉み消すと、



「はい。どーぞ。」



キョトンとする工藤サンに手渡した。



がっ、



瞬間、



工藤サンの怒りは頂点へと達したようで…



俺の胸ぐらを掴みギロっと睨みつけてくると、



「この俺にシケモク吸えってか?ハッ!!…オモテ出ろ…」



ピコ…



「「あっ…」」



「たかがタバコでキレてんじゃねぇよ。ガキじゃあるまいし…」



俺と工藤サンはピコピコハンマー片手に呆れるオヤっさんを見つめながらポカンと口を開けた。

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