“逆”チョコレート大作戦!!
「一体なんなんっすか!?」



「“なんなんっすか”…じゃねぇよっ!!楽して金稼ぐコトばっか考えてやがって…。んなコトやってる暇あったら真面目にコツコツ働きやがれっ!!でっ、しっかりガッツリ貯金しろっ!!」



「あっ…」



俺は一気にまくし立ててきた工藤サンを見つめながらポカンと口を開けた。



工藤サンって…



「んな泡銭使って買った指輪なんて…俺だったら間違いなく捨てるな。貰った瞬間ドブ川に…」



「工藤サンって…」



「んだよ。」



「かなり真面目なんですね…」



「は?」



「元ヤンなのに…」



「……。」



俺はボソッと呟いた。



瞬間、



ガタンっ!!



「んだと、コラ…」



「ニーチャン…」



立ち上がりかけた工藤サンを制止するかのように、突然、口を開いたオヤっさんは、



「工藤チャンの言う通り、コツコツ頑張って金貯めな。でっ、何年かかってもいい。彼女サンに指輪を…」



「コツコツなんて…んなコトしてたら俺、指輪渡す時には間違いなくヨボヨボのじーちゃんっすよっ!!」



「いや…いくらなんでもそんなこたぁ…」



「い~や。だって“俺”っすよっ!!就職して…」



バシッ!!



「いでっ!!」



「んなコト自慢気に話すなっ!!」



またコノ人は…



人の頭をバシバシバシバシ…



使いモノになんなくなったらどーすんだっつーのっ!!



俺はフンっと鼻を鳴らす工藤サンを、またまた睨みつけた。

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